2005-01-07 暗黒館の殺人 Libro 綾辻行人『暗黒館の殺人』読了。 私が最初に読んだ推理小説は、館シリーズでした。高校生の時に、谷山浩子さんの紹介で。思い入れのある作家なわけで、新作を楽しみに待っておりました。 とにかく分厚い。凶器に使えるんじゃないかと思うくらい重い(笑) 冒頭から漂う浮遊感。状況設定に仕掛けられたトリックは容易に看破できるのに、どうしてここにトリックが必要なのかがわからない。結末を読んでも、『偶然』の用い方に釈然としないでいる。 本作は、これまで読み続けてきた読者に対して贈られた(逆に、読んでいない人には何が起こったのか分からない)、館シリーズ幕引きの先渡しだったように思う。