旅行者の朝食

 米原万里旅行者の朝食』(ISBN:4167671026)読了。
 著者は元ロシア語通訳者で、少女期をプラハで過ごしている。そして何より健啖家。そんな筆者が綴った「食」にまつわるエッセイ集。
 海外在留邦人に手渡してはならないもの、それは東海林さだおの“丸かじりシリーズ”である(三つの教訓と一つの予想)。復讐の名の下に味噌仕立てで煮込まれた彼は冤罪だった(『かちかち山』の狸汁)。舞台はアフリカではなくって、あの料理の真実の姿は……(サンボは虎のバター入りホットケーキをほんとに食べられたのか)。
 思わず肯く蘊蓄(うんちく)がいっぱい。