愛の年代記
塩野七生(しおの・ななみ)『愛の年代記』(ISBN:4101181012)読了。
中世からルネサンス期にかけてのイタリアを舞台とする愛欲の姿を綴った9編が収められている。
単行本(ISBN:4103096292)が出たのは、1975(昭和50)年と古い。著者の若かりし頃の作品だけあって、随所に「危うさ」を含んでいる。身を滅ぼすような恋に対する賛辞が隠れ見えるのだ。
断片的な史実を、著者の空想力で結びつけ、物語とする手法は塩野ならではの味わい。いずれも面白い。
はてな年間100冊読書クラブ 〔#026〕