symphonic rain, 3rd and 4th movement

 工画堂スタジオくろねこさんちーむ)『シンフォニック=レイン*1の進行状況報告(第3,第4楽章)。
 トルティニタ・フィーネ(Tortinita Fine)シナリオ。本作は彼女のために捧げられた物語である,といっても過言ではない。
 トルタが恋い慕う相手クリス(Chris)は,双子の姉アリエッタの想い人。しかし今,クリスの近くで共に音楽を学んでいる――
(この先には,ネタバレがあります)
 この三角関係から真っ先に想起されたのは,LeafWHITE ALBUM”でした。森川由綺と緒方理奈の役割分担は,本作でのアリエッタトルティニタに類似だし。その緊張関係から抜け出したところに,先輩(澤倉美咲)ないし後輩(リセルシア)がいる。
 さて,“da capo”では,『シンフォニック・レイン』という作品に仕掛けられた構造を《謎》として提示する。それに対する《回答》が“al fine”である。私はシナリオを読み始める前に考察を巡らせてあったため,謎が存在すること,それ自体には薄々察しがついていた。しかし,ここまで大きなに塗り固められていたとは―― 読み手は,世界そのものへの信頼を突き崩されかねないほどの展開にさらされる。
 比較考察すべきは,シーズウェアDESIRE‐背徳の螺旋‐』でしたか……。あちらの主人公の名はアルとティーナなのですが,偶然の一致にしては良くできています。物語の重さは光明を与えず,一人の少女をルナティックに追いやってしまう。いや,この物語そのものが狂気なのか。
 余談ですが,ヨーロッパには鉄道駅への入場券って無いです。

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