姑獲鳥の夏

 映画『姑獲鳥(うぶめ)の夏』を観てきた。
http://www.herald.co.jp/official/ubume/
http://www.ubume.net/

「この世には不思議なことなど何もないのだよ」

 いや,この映画が眼前にあることが不思議なんですけれど……。何というか,学芸会?
 京極夏彦の原作(ISBN:4061817981)を,あえて要約すると「視える≠在る」そして「主観≠客観」。それを映像で表現するのは無理があったんじゃないかなぁ,と。ポイントになるあのシーン,素直にやるならフレームワークを主観的に構えないと辻褄が合わないのに。
 不自然にスポットライトが使用されていることから思いついたのですが,もっと白々しく,「演技っぽく」演技したら,また違ったのではないかと(簡単に言うと,古畑任三郎)。オペラなどの舞台芸術なんかだと,観客が見ているものと,出演者が見ているはずのものは違う――という表現があるし。