ヒトラー 〜最期の12日間〜

 『ヒトラー 〜最期の12日間〜』を観てきました。
 いい映画でした。政治的な意味合いで取り上げれば色々と言えるでしょうけれど,私はそういう語り方をするつもりはありませんので……。人間の織りなすドラマが最も端的に表れる戦争を描いた,手堅い映画だという印象を受けました。演出過剰なハリウッドには真似できそうにない,生真面目な作りには好感が持てる。
 上映中,過労自殺や,組織と個人のことなどを考えていました。この映画を,労働法の教材として観ていた人は,そうそういないと思いますけれど。破滅へと向かう組織から〈降りる〉ことが出来なくなって,先に個人(特に中間管理職)が自滅してしまう。周囲の人間や,後世の人間ならば「どうして避けられなかったのか」と思うようなことなのに。そのメカニズムは同じだなぁ――と思いながら。