BLIND HOLE

 蔵書の再配置をしていたら,柴田昌弘『ブラインドホール』(ISBN:4056039305)が未読のままになっていたことに気づいた。
 学研『コミックビッグゴルフ』連載作だが,掲載誌が休刊になったらしく,最終話は書き下ろし。
 事故によって視力を失い,賭けゴルフの代打ちとしてアンダーグラウンドの世界に身をやつす割石耕司。彼のもとに押しかけてきた関谷水絵もまた,肩を壊してフルスイングの打てなくなった天才美少女ゴルファー。〈グリーンのピクシー〉との異名すら持つ水絵が芝を読み,〈悲運の男〉が〈悲運の少女〉に代わってスイングを打つ――
 スポーツまんがの常道で「ありえない」プレーが連続する。下手に処理すればリアリティを損なってしまいかねないところだが,柴田は小気味よく物語を組み立てていく。圧倒的な構成力。上手いなぁと感嘆。
 柴田昌弘と言えばフェチズムの巨匠。本作でも期待に報いてくれます(笑)