ひぐらしのなく頃に〔5〕

 意見が飛び交っている*1のに興味をひかれ,『ひぐらしのなく頃に解』の〈目明し編〉を数日かけて読み進めた。
http://07th-expansion.net/07th Expansion
 この先に展開されるついては朧気ながら聞き知っている。むしろ先にネタバレされた方が,冷静に読み込みが出来るので好都合(それで,この段階で読もうという気になった)。
 さて第5話,「園崎詩音」を主人公に据えた物語の主題は,人の狂気ということになるだろうか。このようなテーマ性から『ひぐらし』を読むのは不適切かもしれないが,少々物足りなかった。もっとも竜騎士07は,既に〈祟殺し編〉において,張りつめていく殺意の描写を行っている。それに比べれば,の話なのだけれど。
 たぶん,「詩音」の狂気には「静けさ」が欠けていたのだと思う。それは,ピノッキオと対峙していた瞬間,トリエラを支配していた感情に似ていて。
 狂気を主観で描写するのは難しいのかなぁ。『Fate/stay night』の第3部“Heavens Feel”を読み返してみたけれど,あちらは遠坂凛の視点だった。まぁ,アンリマユの独白に共感できるようなら,とっくに人間やめてるわけだけれど。あ,私は間桐桜さんを応援してますので(笑)
 もし,私の言う「静かな狂気」の意味するところを知りたければ,『実験病練 或いはある医師の回想*2を読むといい。性的描写を含むので大っぴらに勧めにくいのだが,これを超える狂気は未だ知り得ていないので。


▼ 関連
http://b.hatena.ne.jp/genesis/%e3%81%b2%e3%81%90%e3%82%89%e3%81%97/

*1:早わかりのためには「grev::ひぐらし鼎談皆殺し編」を参照すると良い。

*2:1993年,とあるパソコン通信で発表された小説。
 http://logexp.hp.infoseek.co.jp/