パルマ(3/3)

 朝一番に,国立パルマ美術館(Galleria Nazionale Parma)を訪れる。なぜか入口がファルネーゼ劇場(Tetro Farnese)の袖にあって,料金を払ってもいないのに劇場の見学も出来てしまった。木製のベンチがしつらえられたこぢんまりとしたところで,ここでオペラを観たらさぞかし臨場感があると思う。
 美術館の方ですが,これがめがっさ良かった。広い館内でありながら3組しか入場者がいなかったということもあり,絵との対話をじっくり楽しみながら見て回る。フレスコ画,歴史画,寓意画,祭壇画など,12世紀から18世紀に至るまでを満遍なく取り扱っている。全体として質が高く,絵画好きなら見逃せない。陳列も変わっていて,歴史的建造物を活かすべく,パイプで中空の上階を造っている。最初は手早く見て回るつもりだったけれど,1時間40分ほどかけて楽しむ。
 次は洗礼堂(Battistero)の内部へ。外観はバラ大理石で仕上げられた柔らかな眺めだが,内部は説話を描いた荘厳な仕上がり。
 コレッジョの部屋も訪ねてみたが,こちらは冴えない。