フェッラーラ

 パルマのホテルをチェックアウトし,ボローニャへ移動。次のホテルに荷物を預けて再び駅へ戻る。乗り込んだのはヴェネツィア行きの列車。このまま目的地を乗り過ごしたことにして『ARIA』の舞台探訪に行こうか――と本気で迷う。ボローニャはミラノとローマの中間点であり,フィレンツェ*1ヴェネツィアの中間点でもある。どこへ出かけるにしても便利な場所だ。
 訪ねたのは,フェッラーラ(Ferrara)。塩野七生チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷』(ISBN:4101181020)あるいは川原泉『バビロンまで何マイル』(ISBN:4592883187)に登場するルクレツィア・ボルジア(Lucrezia Borgia, 1480-1519)の眠る町。
 駅を出て感覚を頼りに進むうち,旧市街の北の外れにある墓地へと辿り着いた。半円形の柱廊を持つそこは,霊園と知らなければピクニックに来たくなるような気持ちの良い場所。
 あとは,情緒あふれるエルコレI世通り(Corso Ercole 1 d'Este)を南へ下って歩く。国立絵画館として利用されているディアマンティ館に立ち寄ってみたものの,残念ながら夏季の時間短縮のため立ち入ることはできなかった。堀に囲まれてそびえるエステ家の居城サヴォナローラの像が立つ市庁舎,立派な構えの大聖堂などを見て歩く。

*1:もちろん,帰りの列車では『BITTERSWEET FOOLS』の舞台探訪をしないように努力したことは言うまでもない。念のため,資料は持ち歩いていたのだけれど。