アタゴオルは猫の森

 id:kuroyagisantara が,ますむらひろし原作の映画『アタゴオルは猫の森』を観に行くというのでついて行く。札幌シネマフロンティアでは公開開始から2週間で打ち切りになるというので,どんな出来かを確かめに。
――これはひどい。一人で来ていたのなら,開始5分で退館していたと思う。
 コマの1つ1つは,ていねいに作られている。1シーン単位で見ると,良く動いている(ビデオクリップとしてならば秀作)。ところが場面と場面が論理的に繋がらない。シークエンスが考慮されていないために,1分単位ですら話が成り立っていない。その無理を登場人物のセリフで補おうとしているのだけれど,はっきり言って下策。しかも,セリフがまったくもって説得的で無いし。解説を聞かなければ分からないようなガジェット(仕掛け)で乗り切ろうとするのは,子供向け作品としては失格だろう。横に座っていた児童達が途中で退屈そうにしていたのは当然だと思う。
 そのセリフにしても,キャラクターが立っていないために不明解。主人公のヒデヨシ(声:山寺宏一)をトラブルメーカーに配置したのなら,とことん不条理なまでにコミカルさを追求すべきだったように思われるところ。
 このアニメ作品の制作者には,ストーリーテリングを初歩から勉強しろと言いたい。
 救いがあるとすれば,ヒデコ(声:小桜エツ子)の演技が良かったことでしょうか。
 あと,谷山浩子さんが声の出演をしていたようなのですが,EDテロップを見るまで気がつかなかったよ……
* 引用画像 ASIN:B000A6KACM