水町勇一郎 『労働法』

 有斐閣の敏腕編集者Iさんから小包が送られてきました。開けてみると――おぉ,水町勇一郎(みずまち・ゆういちろう,東京大学社会科学研究所准教授)『労働法』(ISBN:4641143803)の献本です。ありがたや。
 本を出されるという話は,先日,研究会でご一緒した後に(昼食のパスタをおごってもらいながら)伺っておりました。いつ出るのか未定だと聞いていたのですが,後期の授業に間に合ったようです。
 昨年暮れには森戸英幸『プレップ労働法』(ISBN:4335313071),今年の夏には大内伸哉『雇用社会の25の疑問』(ISBN:4335353952)と,中堅の先生方による単著の刊行が相続いており,労働法教科書市場が活気を帯びています。
 届いたばかりなので未だ読み込んでおりませんけれども,目次を見ますと,本書の特徴は《最初》と《最後》に現れていますね。
 第1編には「労働法の歴史と機能――労働法の背景や基盤を知り,その意味を探る」という章が置かれています。そういえば水町先生は,「ヨーロッパの教科書みたいに,労働法の歴史をしっかりと説明するものにしたい」と語っていましたが,ここに50頁近くの紙幅を割いています。
 そして,締めくくりとなる第6編は「労働紛争解決法」です。紛争処理のための手続を,教科書の中で独立した章にしているところは目新しいように思います。