大学院はてな :: マンション住み込み管理人の労働時間

 研究会で,大林ファシリティーズ(オークビルサービス)事件最高裁第二小法廷判決 平成19年10月19日 労働判例946号31頁)について報告。
 マンション管理人として夫婦住み込みで勤務していた労働者からの時間外割増賃金請求。所定内労働時間(09時〜18時)の外で「管理員室の点灯・消灯」「冷暖房の運転・停止」「ごみ置場の施錠・解錠」を行っていたことから,朝(07時〜09時)と夕方(18〜22時)についても労働時間だと認定されるよう求めた事件。
 使用者は,上述のような行為は労働とは評価できないとして争っていました。最高裁は,平日については朝夕の労働時間性を認める判断をしています。
 結論としては,破棄差戻し。「犬の散歩」*1や「病院への通院」をしていた部分を控除する必要があるので労働時間を算定し直せ,という面倒くさそうな理由です。

*1:余談。犬の散歩ルートを地図で眺めていたところ,どうも見覚えがあったので調べてみたら,『うみねこ』や『かにしの』に登場する某洋館の近所にあるマンションで起こった事件でした。