大学院はてな :: 『今,職場にある危機と労働組合の役割』

 夕方から,NPO法人職場の権利教育ネットワークが主宰する講演会が開催されたので出かけてきました。札幌近郊の大学で労働法や社会保障法のゼミに参加している学生をはじめとする人たち約90人が集まり大盛況でした。
 パネリストとして話をしていただいたのは……

  1. 派遣労働者からの労働相談に携わっている札幌派遣ネットワークの方から,派遣労働者の置かれている現状についてのレポート
  2. 新たに社会福祉法人労働組合を立ち上げて理事長の不正経理内部告発した組合の方から,労働組合の果たした役割についての紹介
  3. 北海道の老舗デパートで安定的な労使関係を築いている組合の方から,業績不振のために店舗閉鎖せざるを得なかった局面で,パート労働者の雇用を守るために組合は何をしていたのかの紹介*1

――と,内容も充実。
 このNPO法人,職場における公正なワークルールを築いていくためには,労働組合が自分自身の役割をアピールしていかなければいけないということで設立されたもの。その対外的活動としては第1回目ということでしたが,組合活動の最前線で身を張っている方々から労働組合の果たしている役割を具体的に示していただいて,なかなか興味深いものでした。

*1:この会社ではユニオンショップ制が採られているが,いわゆる正社員のみならずパート労働者も組織化の対象にしているということであった。その意図するところについて質疑応答で質問が出たのだが,「パートも正社員も,お客様に頭を下げて買っていただかなければ給料が出ないということでは同じですから!」と気っぷの良い回答をいただいた。