野村美月 『“文学少女”と慟哭の巡礼者』

 昨日は私用で日帰り東京旅行。行きは機内誌を読んでいたら着いてしまったのですが,帰りの機内では読書。野村美月(のむら・みづき)の『“文学少女”と慟哭の巡礼者(バルミエーレ)』(2007年8月,ISBN:4757736851)を。“文学少女”シリーズの第5作。
 お付き合いを始めた心葉(コノハ)と琴吹さんが初詣に出かけるところから物語の幕は開ける。ところが琴吹さんが入院。病院へお見舞いに行った心葉は,美羽(ミウ)と再会する――
 古典に範をとる本作ですが,今回は宮沢賢治銀河鉄道の夜』へのオマージュ。これまでに登場した主要キャラクターがプラネタリウムに集結し,“文学少女”による読み解きが行われる。エピソードは結末に到るが,むしろここから大きなストーリーが始まることを予感させる終わり方で。
 このシリーズ,旅先で読む本の定番と化しているのですが…… 困ったな,続きが気になる。