「アニメに写る富山」

 日本近代文学会北海道支部例会におきまして,「アニメに写る富山――『true tears』を素材として」と題する研究発表を行ってきました。

 聞くところによると富山県で文学館を設立しようという話があるそうです。それで,サブカルチャーの領域で何か富山の地域表象を語れる作品はないだろうか? という問い合わせがやってまいりまして。こちらからは「『true tears』の話をすればいいですよ」と返したのですが,いろいろあって自分で紹介論考を書くことになりました。
 文学を専門にしている方々を相手にした発表ということで,手法としてはテクスト分析のスタイルでやってみました。どうして城端という内陸の町を基本的な舞台に置いておきながら海の場面が出てくるのか,という観点から出発し,主題である〈涙〉が〈海〉や〈雪〉の描写を通じて如何に組み込まれているのかを論じたものです。機会があれば,どこかで公開したいと考えております。
 ちなみに。題名を伝えたとき「アニメに映る」ではないの? と確認されたのですが,風景がアニメ作品の中に写り込んでいく過程の話をしたかったので,当事者の語感としては「写る」なのでした。