Sagunto

 先日、小学校時代の恩師から手紙をもらいました。

 昔、『ローマ人の物語』のハンニバル戦記を読んだ時に、バレンシア市から北30㎞位の所にあるサグントの街を、若きハンニバルが8ヶ月かかって攻撃し、陥落させたのが発端となつてポエニ戦争が始まった――と書いてあったのを思い出して居る所です。

 日本の著名なガイドブックを見ても載っていないような小さな町です。書店でスペイン語の観光ガイドを見てみると、ローマ時代の劇場と城壁が見所らしい。それでも、1頁の半分しか説明がない。逆に言うと、2〜3週間程度の観光旅行では、よほどのことがないと行かないような場所。それならば、ということで出かけてみました。

 交通費は、往復で4.3ユーロ。休日は、1時間に1本の列車が走っています。事前情報が手に入らなかったので、まず駅を降りてからどちらに行けばいいのかわからなかったのですが、正面に城壁が見えているので道路を渡って直進。突き当たりできょろきょろと見渡していたら、 “中心街はこちら” という看板が出ていたので矢印に従って右折&左折。10分ほど歩いたところで、市役所前に着きました。

 公園の中に観光案内所があるので立ち寄ってみたのですが、休日でお休み。それは当然として、観光名所も休みだという張り紙がしてありました。

 でも、見たいところは遺跡なので、外観を見るだけならできるだろうと思い、市役所左手の坂道を昇ってみました。思ったとおり、劇場を見渡せる場所に出たのですが…… 何かおかしい。どうしてコンクリート製なの??

 坂道の途中にある土産物屋で、同じ場所から別の時期に撮影した絵葉書を売っていたので、買い求めて見比べてみました。すると、かつてはいい感じに崩れかけたものだったのが、護岸工事よろしく近代建築に生まれ変わっています。後日聞いた話によると、トチ狂った市長が改造しちゃったらしい(ぉぃぉぃ)