archivos de Alicesoft

 アリスソフトが、一部の旧作につき自由な配布を認めるという発表を行いました。それを受け、「アリスソフト アーカイブズ」が該当作の頒布を行っています。
http://retropc.net/alice/
 私がギャルゲーに手を染めるきっかけになった『闘神都市』を取り寄せてみたのですが…… 歳月は、思い出を美化させるものなのですね(^^;) 当時としては最も巧みな技法で描かれていたのですが、PC-9801VM仕様 *1 の限界に達するまでは未だ数年の時間があります。
http://www.eonet.ne.jp/~building-pc/index.htm
 このアリスソフトの試みは、英断として称えられるべきものでしょう。
 Windowsというプラットフォームの誕生は、プログラムの操作に伴う煩雑さを減らし、コンピューターの利用にかかる障害を低くするという貢献を果たしました。たしかに、PC-98x1等で動いていたプログラムはエミュレーターという技法を用いれば今日なお利用可能ですが、誰もが容易に扱えるものではありません。こうした技術的な困難さに加え、中古市場から調達しなければならないという問題もあります。それでも欲しがるのは、よほどの好事家でしょう。書籍であれば適切な対価を支払うことにより複製を入手することも可能ですが、ゲームに関してはそのような機構が用意されていません。
 歴史的ソフトウェアは、決して価値を失った代物というわけではありません。具体的に話を進めると、このほど自由頒布が承認されたものの中に「ランス」シリーズが含まれています。『Rance2 ―反逆の少女達―』や『Rance3 ―リーザス陥落―』は、「シナリオ性がある」ことが評価された作品。「シナリオ主導」に至る前史として、参照するに値します。周知のように、東浩紀id:hazuma)氏の著作活動によってギャルゲー評論というものが成立しうることが総論として提起されました。今はその命題の是非を各論研究として検討すべき時期ですが、歴史を持ち知名度も高いアリスソフトはまさに格好の素材といえます。
 そーいえば、『CAL』で名を馳せたバーディソフトはどうしているんだろう? と思って調べたら、興味深い文章を見かけました。『雛鳥の囀』で知られる“Studio B-ROOM”に系譜が連なるとは、寡聞にして知りませんでした。
http://haruna.on.arena.ne.jp/laboratory/history1.html

*1:オプション装着時で、4096色中16色