Zatoichi

 日本映画がスペインでも公開されたので、観てきました。“サトイーチ”です。日本風にいうと、北野武監督の『座頭市』ね。
 う〜ん、悪くはないのだけれど、良くもなかったというのが感想。ストーリー展開における、浪人・服部源之助(浅野忠信)の絡ませ方に難あり。この作品なら、割り切って勧善懲悪の二極対立にしてしまっても文句は出なかったように思う。その妻・おしの(夏川結衣)の最期に至っては、かなり疑問。あと、女性はハラキリするものでしたっけ? この夫婦の存在が、後味の悪さの原因。
 『勝新座頭市』を崩すために持ち出された金髪だとか、朱塗りの杖なんかは、まったく違和感なし。コミカルに行くという路線は当たりでしょう。どうせなら、腹を抱えて笑い転げるくらいのことをやってほしかったなぁ。
 技法の点では、カメラワークに野暮ったい感じを受けました。私がわかっていないだけ?
 楽しみにしていたのは、鈴木慶一氏の音楽。ムーンライダーズの、で分かる人にはそもそも説明不要か…… 『わかつきめぐみの宝船ワールド』*1 で、かの迷曲「♪干しワカメ無いですか〜」を作った人、というのも古いし…… ん〜と、最近なら「♪きいてアロエリ〜ナ」*2 の作曲者さんです。ところが期待していたよりも音楽が目立たず、気を付けていないと聞き逃してしまう。言い方を変えると、劇伴として溶け込んでいるということなのですけれど。確かに、この作品に久石譲は合わない。
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