マリア様がみてる

マリア様がみてる―ロサ・カニーナ (コバルト文庫) マリア様がみてる―ウァレンティーヌスの贈り物〈前編〉 (コバルト文庫) マリア様がみてる―ウァレンティーヌスの贈り物〈後編〉 (コバルト文庫) マリア様がみてる―いとしき歳月(前編) (コバルト文庫) マリア様がみてる―いとしき歳月(後編) (コバルト文庫)
 代替わりするところまで読了。第4巻から8巻までが、さしずめ第1節後半といったところでしょう。1冊につき100分前後ほどなので、『マリみて』を最優先事項にすれば何とか一時帰国中に読み終えられそう。820ユーロの交通費をかけてやって来たという限られた時間内にこなす用事では無いような気もするのですが……
 読み始めた時点(id:genesis:20040410)に比べると、作品に対する印象は好転してきました。『片手だけつないで』における白薔薇さまの内面描写などでは、ぎこちなさを感じませんでした。
 佐藤聖に関しては、その前の章『いつしか年も』で親しみを感じるようになっていたというのが作用していたのでしょうか。周囲の人物に対して興味を持たないというあたり*1。私、高校に入るまで友人を持ったという記憶が無いんですよね。1年間クラスが一緒だった人物の名前を年度末になっても覚えていなかったという程なので、友達を作るなど考えつくはずもなし。学習塾で講師をしていた時分、受け持ちだった生徒の名前を覚えていなかったため、その事実を知られないようにするために苦心しておりました。かといって、記憶力が弱いわけでもないんですよね。旅行中に起こった出来事なら細微に至るまで覚えているし。どうも私の脳は、「ヒト」に関する部分が、すっぽり抜け落ちているようなのです。否、そもそも他人を認識するという知覚作用を行っていないという方が正確かもしれません。

*1:86〜93頁