マリア様がみてる
読む順番は乱さないように、ページの角は折り曲げないように、ゆっくりと読破するのがここでのたしなみ。もちろん、あらすじを掴むために「つまみ読み」しようなどといった、はしたない生徒など存在していようはずもない。
こんな返答が真っ先に返ってきたら、対抗心が出てくるに決まってます。私が負けず嫌いなのを知っていて焚きつけるんだからタチが悪い。誤植を見つけられるぐらいの速度なので*1、読み飛ばしてはいないですよ。
さて、まずは通読してみて。自分でも驚くほど冷ややか。だいぶ前に存在は知っていたのに手を出さなかったのは、もしかするとハマりこんで抜け出てこられなくなるのではないかという心配があってのことだったのです。それが、どうにも物語に没入できないんですよね。先日も書きましたが、今野緒雪の作風は、心の動きの描写に鮮明さを欠くように思えて。
では、私が期待しているものは何なのかについて想像をめぐらせてみたのですが―― 「乃梨子+可南子の聡明な下級生2人が組んで、おつむピーマンな祐巳+由乃を論戦で打ちのめす場面」が見てみたい*2。う〜ん、私が『マリみて』を絶賛する日は来ないような気がする。
あと、今野緒雪の弱点というと事件性に寄りかかっていることでしょうか。日常に立脚した話が少ない。『チャオ ソレッラ!』に関していうと、修学旅行という特別な場面を用意したものの、イベントの発生頻度が低かったために凡庸な旅行記になってしまったように感じました。祐巳と由乃の組み合わせでは人間同士のいざこざが起こらず、観光地の解説に紙幅がいってしまいますからね。
cf.: http://members.jcom.home.ne.jp/myaa/marimite/index.html
cf.: id:trouble:20040403
cf.: http://home.att.ne.jp/sea/haruhi/hp/magari.htm