Fate/stay night

 第2部[Unlimited blade works]まで進行。俗に遠坂凛ルートと称されていますが、その内実はアーチャーを主軸に据えたシナリオです。導入部で示されていた手がかりから予想できた展開でありましたが、きれいに筋道をつけたなと感心しました。知名度が英霊の強弱に直結する、という判断基準に照らすと気になるところはあるのですけれど、気が付かなかったことにしておきましょうか。
 奈須きのこは、「幼少時に死の渕に立った経験」を繰り返しモチーフにしていますが、徐々に強烈さを極めています。(1)『月姫』本編の遠野志貴、(2)『歌月十夜』収録「ななこちゃんSOS!」の乾有彦、そして今回は(3)“Fate”の衛宮士郎、と。特に今回は、そのモチーフが主人公の生き様に直結していますから、切り離していられません。目を背けていたい、考えずに済ませておきたいことをぶつけられて、かなりまいりました。