クレモナ

 午後は,列車に乗って1時間ほどの場所にある,ポー川流域の街クレモナ(Cremona)を訪れる(パルマから片道EUR3.35)。
 最初に足を運んだのは,クレモナ市立博物館(Museo Civico ala Ponzone)。ここは,前ルネサンス期に発達したクレモナ派の絵画が充実している。この地域にまつわる作品が中心であり,遠近法が完成する前の時期ということもあって一級品は少ないものの,見応えのある作品は多い。絵画愛好者なら満足できるだけの質は備えている。併設して楽器の模型を展示するストラディヴァリ博物館(Museo Stradeivariano)もあるが,こちらはどうでもいいような代物。
 博物館の中にあるバールで,ちょっと遅めの昼食を摂る。
 ドゥオーモ(Duomo)は,南西方向に取り付けられた大きなバラ窓から差し込む光で明るい。
 共通入場券(EUR8)を買ってあったこともあって,現在は市庁舎として用いられているコムーネ宮(Palazzo del Comune)の奥に設けられたヴァイオリン・コレクション(Salletta del Violono)を見る。ストラディヴァリウスやアマーティが十数本,ガラスケースの中に収まっている。確かに工芸品としても美しいのだけれど,楽器は演奏家が手に持ってこそだと思うので,ちょっと可哀想な気がする。