ウルビーノのヴィーナス

 昨日,研究会へ参加するため東京に出てきたのですが,その後は自費で宿泊。そして,開館直後の09時40分に国立西洋美術館へ赴いて『ウルビーノのヴィーナス』展を見てきました。
http://www.venus2008.jp/
 が,ちょっと……。
 主たる作品と言えばティツィアーノの《ヴィーナス》でしょうが,これはウフィツィ美術館で見ているので「またお会いしましたね」で済ませました。土曜日にしては混んでいなかったのですが,さすがに大作の前には人だかりが出来ていて近寄れない。
 あまり印象が良くなかったのは,脇を固める作品群が弱かったからではないかと思います。ウフィツィから出品された3枚の配置された第III展示室を中心に考えた場合,展示の全体構成に無理があって。
 副題は「古代からルネサンス,美の女神の系譜」なわけですが,第I展示室は古代ギリシア・ローマ,第II展示室は15世紀イタリア,第IV展示室は《アドニス》《パリスの審判》というふうになっておりました。どうも部屋ごとの段差が大きくて……。
 お気に入りを一つ挙げると,第V展示室のアンニバレ・カラッチ《ヴィーナスとキューピッド》でしょうか。狭い画面に全身像をどのように配置するかの工夫がなされていて,「16色,640×400ドット」時代を彷彿とさせます。