東京都美術館 『フェルメール展』

 絵画の中で好きなジャンルは何? に対しては暫定的に「ネーデルラント絵画」と答えています。これが時代が下って「オランダ絵画」になると少し違ってくるのですが,それにしても『フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち』(Vermeer and the Delft Style)が開催中となれば真っ先に足を運びたいところ。
 銀座線の上野駅で降り,上野公園内の緩やかな坂道を昇って東京都美術館へ。朝の9時だというのに汗が噴き出してきます。平日だから大丈夫かも,と思ったのですが,有閑マダムと制服姿の学生とで結構な人の入り。約40点が出品されておりましたが,人の垣根越しだと小品は良く見えません。人の集まるフェルメールは軽く流し,人だかりの出来ていないところを狙うことに。
 長時間独占できたのは,フォスマール(Daniel Vosmaer)《壊れた壁のあるオランダの町の眺望》,ファブリティウス(Carel Fabritius)《歩哨》,フレル(Jacobus Vrel)《子供と本を読む女のいる室内》など。フェルメールも悪くはありませんけれど,周囲を固める作品群の方が好みでした。
 東京都美術館へ来たのは始めてですが,建物の構造が悪いために使い勝手が非常に悪いのは致命的。エントランスが地下にあるうえ,展示室は垂直方向に3つのフロアに分かれているというのではバリアフリー化も困難でしょうねぇ。