損保ジャパン東郷青児美術館 『ジョットとその遺産展』

f:id:genesis:20081014221835j:image
 研究会と勉強会と学会とが重なったので4泊5日の東京滞在です。
 勉強会は15時からでしたので,その前に損保ジャパン東郷青児美術館にて『西洋絵画の父 ジョットとその遺産展――ジョットからルネサンス初めまでのフィレンツェ絵画』を観てきました。
 もともとは聖堂を飾っていたものを剥がして持ってきたわけですから,聖書や聖人にモティーフをとった作品がほとんどを占める展示内容。ビルの入口についてもホールの受付を守る人が1人いるだけでひっそりとしており,会場内も人影は疎ら。まぁ,中世の宗教画が中心ですから人が押し寄せるとは思えませんが……。
 しかし,展示物は素晴らしいのに,展示方法がチャチなので不満が募ります。
 フレスコ画は通常“石”で囲われた空間に置かれるものですから,教会堂の中を満たす冷やりとした空気と朧に差し込む陽光とがつきもの。その再現は無理だとしても,せめて見せ方に工夫はしてくれないものだろうか。特に《スクロヴェーニ礼拝堂》の紹介はいただけませんでした。礼拝堂の前後左右を写した写真が横一列に並んでいるだなんて! 写真パネルを置くなら立体的に配置して,見上げた位置にラピスラズリの群青が見えるようにしようよ……。