国立西洋美術館 『デューラー展』


 続いては上野の国立西洋美術館で『アルブレヒト・デューラー版画・素描展』を観てきました。
 常々申し上げておりますが,私の好みは所期フランドル絵画。緻密な描き込みが堪らない魅力です。同じ理由でエングレービングも好みなのですが,今回,かのデューラーの作品が来日しているということで,出張が決まった時から観に行くのを楽しみにしておりました。
 良かった。実に素晴らしかった……。
 版画は,性質上どうしても作品が小振りになるし,彩色を施していない限りはモノクロなので地味なことは否めませんけれど,でもそれが良い。さらにデューラーは宗教性の強い作品が多く,品格を備えています。デューラーのコレクションを一同に眺められることなど滅多にありませんので,機会があれば是非。
 ちなみに今回の1枚ですが,名作と讃えられておりますけれども『書斎の聖ヒエロニムス』を挙げずにはいられません。