大学院はてな :: 長期間経過後の懲戒解雇
研究会にてネスレジャパンホールディング事件についての検討。7年半前に発生した管理職に対する暴行傷害事件を理由としてなされた諭旨退職処分の可否について。このように長期間が経過したのは、警察および検察に告訴状が提出されていたものの、不起訴処分という判断が示されるまでに6年を要したため。これまた、判断が分かれた事案。
議論は紛糾し、研究会を二分しての討論となった。
私は、原審の立場を支持。おおよその目安として2年ほど経過してしまうと、もはや懲戒処分をする必要に欠けると考える。起訴処分となったのであれば、長期間が経過していたとしても懲戒処分を検討することは差し支えないだろう。しかし、不起訴処分となった場合、数年後には事件は《風化》してしまったものとして扱うのが妥当ではないかと考えている。検察の判断を待たずとも、使用者は独自に懲戒処分を検討することが出来る。判断間違いのリスクを避けようとして警察・検察の判断を待ったのであれば、そこで生じる《時間の経過》というリスクは使用者が負担すべきではないだろうか。