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本田由紀 《現代の若者の労働問題》

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夕方,札幌弁護士会の主催による本田由紀(id:yukihonda)先生の講演を聞きに,札幌市教育文化会館へ。360人収用の小ホールが窮屈なくらいに大盛況でした。 結論として述べられたのは, ある時点で不利な状態に陥った人が いつまでも不利でい続ける必要がな…

大学院はてな :: うつ病発症から3年の休職を経てなされた解雇の可否

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研究会にて東芝〔うつ病・解雇〕事件(東京地裁判決平成20年4月22日労働判例965号5頁)を検討。 液晶工場で働いていた技術者Xがライン立ち上げの責任者となり,約5か月間にわたり法定時間外労働が月70時間に及ぶ長時間労働に従事した。会社Yはこのことを関…

大学院はてな :: フライトアテンダントから地上職への配転

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研究会で,ノースウエスト航空〔FA配転〕事件の報告をしてきました。 事案の概要 第一審被告Y社はアメリカ合衆国に本店を持つ航空会社である。第一審原告Xら5名はYの従業員であり,いずれも本件紛争発生前まで客室乗務員(フライト・アテンダント,以下FA)…

大学院はてな :: 休職期間満了後の退職扱い

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研究会で,キヤノンソフト情報システム事件(大阪地裁判決平成20年1月25日労働判例960号49頁)を題材に議論。 原告Xは,自律神経失調症とクッシング症候群とを理由に休職をしていた労働者。クッシング症候群とは,コルチゾール(副腎皮質ホルモンの一種)の…

大学院はてな :: 「歯医者に行くので出張できません」

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研究会にて熊坂ノ庄スッポン堂商事事件(東京地裁判決・平成20年2月29日・労働判例960号35頁)を題材に検討をしました。健康食品販売店Yに勤めていた原告X(63歳)は地下鉄構内の店舗にて勤務していたが,当該店舗が改装のために一時閉店することになったこ…

大学院はてな :: 2本同時掲載

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25日発売の『労働法律旬報』〔旬報社〕1680号(2008年9月下旬号)に,「船員労働委員会の廃止について」という文章を書きました。このたび〈海の労働委員会〉が廃止されて〈陸の労働委員会〉に統合されることになりましたので,船員労働委員会の“お弔い”を行…

大学院はてな :: ジンギスカンとビールの因果関係

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研究会で,学校法人K大学〔高校教諭・停職処分〕事件(大阪地裁判決・平成19年11月29日・労働判例956号29頁)が取り上げられました。 とある大阪の高校生,約230名が修学旅行でルスツへスキーに来ました。原告Xは,その引率教諭の一人。午後の飛行機で戻る予…

大学院はてな :: 不規則労働と過労死の因果関係

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今日は研究会で,国・国立循環器病センター(看護師・くも膜下出血死)事件(大阪地裁判決平成20年1月16日労働判例958号21頁)を討論。報告者は私。 この事件は,25歳の看護士Aさんが勤務を終えて帰宅した後に自宅でくも膜下出血を発症して死亡したことにつ…

大学院はてな :: 『今,職場にある危機と労働組合の役割』

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夕方から,NPO法人職場の権利教育ネットワークが主宰する講演会が開催されたので出かけてきました。札幌近郊の大学で労働法や社会保障法のゼミに参加している学生をはじめとする人たち約90人が集まり大盛況でした。 パネリストとして話をしていただいたのは……

大学院はてな :: 派遣契約の打ち切りと雇用契約の自動終了

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研究会で,弁護士さんから興味深い裁判例(仙台地裁判決平成19年8月23日判例集未登載)を紹介してもらいました。 原告Xは,人材派遣会社Yに登録型派遣の登録をしていた。Y社と訴外A社との間で期間を「平成13年9月3日〜平成14年3月15日」とする派遣契約(契約…

大学院はてな :: 就業規則の周知

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退職金等請求控訴事件(東京高裁判決平成19年10月30日判例時報1992号137頁)が大変に興味深い論点を提示しています。 Y社(従業員規模20人程度)では昭和37年から適格退職年金制度があったのですが,バブル不景気&確定給付企業年金法が施行されたことを受け…

大内伸哉『労働法学習帳』

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大内伸哉先生から,新刊『労働法学習帳』をお送りいただきました。 http://www.koubundou.co.jp/books/pages/35418.html これがもう,面白くてたまりません。元になったのは法科大学院で使っていた副教材なのだそうですが…… なんと赤シート対応の穴埋め問題…

大学院はてな :: 新規採用者の賃下げと団体交渉

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研究会で,国・中央労働委員会(根岸病院・初任給引下げ団体交渉拒否)事件を素材に議論しました。 この事件の面白いところは,「新規採用者の初任給を引き下げること」は労働組合との義務的団体交渉事項にあたるのか? が焦点となっているところです。 団体…

大学院はてな :: 「部活の顧問を引き受けてください。自主的に。」

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頭に「北海道」が付く語の省略規則は面倒ですよね――と言語学の教授と話をしたのを思い出しました。 北海道電力 → 北電(ほくでん) 北海道新聞 → 道新(どうしん) 北海道ガス → 北ガス(きたがす) 北海道教育委員会 → 道教委(どうきょうい) 北海道教職員…

大学院はてな :: 組合脱退と会社退職の《きょうはく》

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弁護士さんからJR東労組(浦和電車区)事件(東京地裁判決・平成19年8月31日・判例集未登載)の判決文をいただいて読んだのですが―― まず最初に確認しておくと,四半世紀前にあった分割民営化のために労働組合法関連では多数の事例を提供してくれている某社…

大学院はてな :: マンション住み込み管理人の労働時間

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研究会で,大林ファシリティーズ(オークビルサービス)事件(最高裁第二小法廷判決 平成19年10月19日 労働判例946号31頁)について報告。 マンション管理人として夫婦住み込みで勤務していた労働者からの時間外割増賃金請求。所定内労働時間(09時〜18時)…

大学院はてな :: 出向元と出向先の両方から受けた休職命令

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研究会で日本瓦斯(日本瓦斯運輸整備)事件*1が取り上げられたのですが,検討の中で興味深い指摘がありました。 Y1社において雇用されていた労働者Xに睡眠覚醒リズム障害の疑いありとの診断があったことから,残業の少ないY2社に出向して勤務していた。問題…

大学院はてな :: 実労働時間は在社時間の8割?

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研究会で検討課題となったネットブレーン事件(東京地裁平成18年12月8日判決,労働判例941号77頁)を読んでいたところ変わった説示に出くわしました。 論点は,システム開発に携わっていた労働者の労働時間(つまり,時間外割増賃金の請求)。この会社では,…

大学院はてな :: 降格が人事権の濫用にあたるとされた例

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国際観光振興機構事件(東京地裁・平成19年5月17日・労働経済判例速報1975号20頁)を検討してきました。 人事評価については一般的に会社の裁量の幅が広く,低い評価がなされたことの是正を求めて争うのは難しいと言わざるを得ません。それが,本件では原告…

連合総研ワークショップ

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労働組合のシンクタンク主宰によるワークショップ「新しい労働ルールのグランドデザイン策定に向けて」に参加してきました。 ――って,私も主宰者側の立場だったりします。多数の方々にお越しいただき,ありがとうございました。 3月下旬のある日,水町勇一郎…

水町勇一郎 『労働法』

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有斐閣の敏腕編集者Iさんから小包が送られてきました。開けてみると――おぉ,水町勇一郎(みずまち・ゆういちろう,東京大学社会科学研究所准教授)『労働法』(ISBN:4641143803)の献本です。ありがたや。 本を出されるという話は,先日,研究会でご一緒し…

大学院はてな :: 使用者と共謀した執行委員長への損害賠償請求

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研究会にて,日産プリンス千葉販売事件(東京地裁判決・平成19年2月22日・労働経済判例速報1971号3頁)の検討。 原告Xは労働組合の上部団体,被告Y1は会社。そして本件では,組合の執行委員長Y2も被告である。 X組合は,Y1社を単位とする下部組織としてZ組合…

大学院はてな :: パソコンのログを用いた残業時間の把握

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研究会にてPE&HR事件(東京地裁 平成18年11月10日 判決,労働判例931号65頁)を検討。10人未満の従業員を雇い入れている小規模事業場においてタイムカード等を用いた労働時間管理が行われていなかった場合につき,残業代が不払いであるとして時間外労働にか…

大学院はてな :: 偽装閉店と整理解雇

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研究会にて,J社ほか1社事件(大阪地裁判決・平成18年10月26日・労働判例932号39頁)を検討。 被告Y会社は,パチンコ店を経営する会社。3店舗を擁していたが,2005年4月4日に経営状態の悪化を理由として店舗閉鎖が告げられ,同月28日に閉店し,従業員約30名…

大学院はてな :: 店長の労働者性

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研究会にてブレックス・ブレッディ事件(大阪地裁判決・平成18年3月31日・労働判例925号66頁)を検討。 被告Y社は,被告B社とフランチャイズ契約を結び,ある私鉄の駅構内にパンの製造・販売店舗を出店することにした。しかしながらY社の取締役らは別に本業…

大学院はてな :: 訃報

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倉田聡教授(北海道大学大学院法学研究科,社会保障法)が,去る4月2日,逝去されました(享年42歳)。 比較法研究ではドイツを専門にされ,社会保険原理に明るく,欧州大陸における法文化を深く学ばれて《社会連帯》の理念を説いておられました。師でありと…

大学院はてな :: チェック・オフの中止

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研究会にて,東急バス事件(東京地裁判決・平成18年6月14日・労働判例923号68頁)を報告する。 被告Y社の運転士が原告。Xらは従前,Y社の従業員のうち大多数を組織するZ労組に加盟していたところ,これを脱退し,χ労組を立ち上げた。χ組合はY社に対して『組…

大学院はてな :: 郵便関係職員の労働関係

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研究会にて,日本郵政公社(深夜勤等)事件(東京地裁判決・平成18年5月29日・判例時報1945号143頁)の検討。 原告・郵政公社職員が,被告・郵政公社を相手取り,就業規則の改定が不利益変更であるとして訴えたもの。判決文では,まず最初に訴えの確認の利益…

大学院はてな :: 18時30分からの「早出」残業

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研究会にて千代田ビル管財事件(東京地裁判決・平成18年7月26日・労働判例923号25頁)を報告。 被告Yは不動産管理会社で,原告XはYの従業員であった者。X‐Y間には2本の労働契約が締結されていた。 契約A 契約B 種別 清掃夜勤(パート) 清掃日勤(正社員) …

大学院はてな :: 三セクには整理解雇法理を適用しない

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研究会にて新宿区勤労者福祉サービスセンター事件(東京地裁・平成18年8月25日判決・労働判例923号13頁)の検討。 被告Yは,新宿区が100%出資する財団法人。原告Xは,新宿区を定年退職した元公務員。どうやら前の事務局長の時期に揉め事があったらしいこと…