Libro

森博嗣 『タカイ×タカイ』

森博嗣(もり・ひろし)のXシリーズ第3作『タカイ×タカイ』(asin:406182578X)を読みました。 高さ15mのポールの上に掲げられた死体。どうしてそんな場所に置かれていたのか? どうやってそんな場所まで持ちあげたのか? 事件現場を通りがかった大学生が謎…

橋本紡 『半分の月がのぼる空』

午前中は研究会に参加して労働者派遣法について勉強してきました。 終了後,急ぎ札幌へ戻ります。搭乗予定の便が10分ほど遅延したので,カードラウンジで珈琲分を補給。 機内では橋本紡(はしもと・つむぐ)『半分の月がのぼる空 looking up at the half-moo…

杉井光 『火目の巫女』

午後に講義をこなしてから空港に駆けつけ,夕方の便で東京へ向かいました。 機内で城崎火也(きざき・かや)『渚フォルテッシモ』(ISBN:4840118744)を開いたのですが,第1章の2頁目で嫌になってしまいました。説明的にすぎる文章,ぞんざいなエピソードの…

野村美月 『“文学少女”と飢え渇く幽霊』

移動中の機内では,野村美月(のむら・みづき)『“文学少女”と飢え渇く幽霊(ゴースト)』(ISBN:4757729154)を読みました。物語を食べちゃうくらい愛してる“文学少女”シリーズの第2作。薬を服用していて集中力が途切れがちなので軽いものを――と思ったのに…

谷川流 『電撃!!イージス5 Act.II』

一昨日,水面を眺めてぼーっとしていたら,隣に座っていたぎをらむ(id:giolum)さんに叱られました。 「『イージス5』は2巻も読まなきゃダメです」 どうして,私が第1巻だけで読むのを止めたことを覚えているんでしょうか。本人も忘れていたのに。よほど恨…

日日日 『ちーちゃんは悠久の向こう』

帰りの機内では,日日日(あきら)『ちーちゃんは悠久の向こう』(2005年2月,ISBN:4797495588)を読みました。 『狂乱家族日記』には渋面を作った私ですが,『ちーちゃん』は面白かった。や,つい先ほどまでエンターテインメントと如何に向かい合っていくか…

雑破業 『おねがい☆ツインズ』

木崎湖旅行の直前,なんとか『おねがい』シリーズのアニメ本編(全13話×2)を観るところまでは済ませたものの,周辺情報まで把握するのは間に合わず。星湖亭で「まりえカレー」が出来るのを待つ間に関連書籍など漁っていたのですが,ノベライズ版が面白そう…

紅玉いづき 『ミミズクと夜の王』

胃が痛むもので床に伏せつつ,紅玉いづき(こうぎょく・いづき)の『ミミズクと夜の王』(2007年2月,ISBN:9784840237154)を読みました。デビュー作であり,電撃小説大賞〈大賞〉受賞作。 食べられたいミミズクと,人間嫌いなフクロウのお話。 《喪失と回復…

牧野宣彦 『ゲーテ「イタリア紀行」を旅する』

ここしばらく,コートのポケットに入れておいて移動中に少しずつ読んでいたのが牧野宣彦(まきの・のぶひこ)『ゲーテ「イタリア紀行」を旅する』(集英社新書ヴィジュアル版,ISBN:4087204324)。 書名にあるとおり,かのゲーテが1786年にワイマールを出奔…

上月雨音 『SHI-NO 夢の最果て』

上月雨音(こうづき・あまね)『SHI-NO ―シノ― 夢の最果て』(ISBN:9784829164099)を読みました。 シリーズの第7巻。パーティが開かれている中,トイレで女性が射殺された。監視カメラの分析から容疑者として割り出されたのは5人。手がかりは,被害者がベル…

紅玉いづき 『MAMA』

紅玉いづき(こうぎょく・いづき)『MAMA(ママ)』(ISBN:9784840241595,2008年2月)を読了。 きっかけは,とあるレビュー。 「この物語を読んでいると夜の雫が集まって細波のように頭の中に押し寄せる。」 http://d.hatena.ne.jp/hobo_king/20080208/1202…

谷川流 『絶望系』

谷川流(たにがわ・ながる)『絶望系 閉じられた世界』(ISBN:4840230218,2005年4月)を読みました。 杵築(キヅキ)のところへクラスメイトの建御(タケミ)から電話がかかってきた。彼の部屋に天使と悪魔と死神と幽霊がいるらしい。 ――本文5頁目にして超…

谷川流 『ボクのセカイをまもるヒト』

昨秋から,今まで担当したことのない科目の講義を引き受けていまして。「行政法」に取り組むのは12年振りなのですが,どうやって教えようかという目線で眺めると面白いように理解が進む。大学院入試の時には,ついぞ《公定力》という概念が掴めなかったもの…

谷川流 『電撃!!イージス5』

玄関を開けたら…… ――歩道が遠い。目測で積雪40センチメートル。自動車は,タイヤの直径に等しい量の雪にすっぽりと埋まっている。がしがしと掻き分けて道を作り,それから大学へと出かけたわけなのですが,報告者を乗せた飛行機が新千歳に降りられずに羽田へ…

鮎川哲也 『黒いトランク』

文学研究科での読書会へ。今回はミステリーの古典を読もう!の一環で,鮎川哲也(あゆかわ・てつや)の代表作であり,実質的デビュー作である『黒いトランク』を。昭和31年に世に出たもの。何でも,2月14日は鮎川の誕生日なのだそうで粋な計らいですねと或る…

谷川流 『学校を出よう!』

ここ数日,就寝前に谷川流(たにがわ・ながる)の電撃文庫側デビュー作『学校を出よう! Escape from The School』(2003年6月,ISBN:4840223556)を少しずつ読んでおりました。 かなり,きついです。 双子の妹の片方が幽霊として取り憑いてから6年たってい…

美少女探偵ヴィクトリカ

対外的に吹聴するほどではないけれど心がけているということは結構ありまして。 例えば「ブックマークするのは数年後にも価値が残ると思うものだけ」とか,「ブログは1日1テーマ」とか。 でも,どうしても今日のうちに突っ込んでおきたい。 ■ 桜庭ワールド沸…

木ノ歌詠 『幽霊列車とこんぺい糖』

暖房費の節約で早めに布団にくるまってみたはものの寝付くには早すぎたので,木ノ歌詠(このうた・えい)『幽霊列車とこんぺい糖――メモリー・オブ・リガヤ』(富士見ミステリー文庫,2007年10月,ISBN:482916400X)を読みました。 味覚障害で生理不順で自殺…

上遠野浩平 『しずるさんと偏屈な死者たち』

昨晩は結婚式(ただし二次会要員)で,遅くに帰ってきました。引き出物を開けてみたら鮭とばだったんですが…… 酔いが醒めるのを待つ間に,上遠野浩平(かどの・こうへいい)『しずるさんと偏屈な死者たち』(2003年,ISBN:4829162147)を読みました。上遠野…

柏木博 『日用品の文化誌』

日帰りで東京出張。 新千歳のラウンジでは研究会で報告される方の著書を読んでいたのですが,機内でハードカバーを広げるのは難があるので,柏木博(かしわぎ・ひろし)『日用品の文化誌』(1999年,ISBN:4004306191)を。以前,出張中に本が切れたので,渋…

我孫子武丸 『殺戮にいたる病』

夕食後にうたた寝をしてしまったため,深夜になっても寝付けない。ならば眠くなるまで本を読もうと,我孫子武丸(あびこ・たけまる)のサイコサスペンス『殺戮にいたる病』*1を手に取る。 面白かったので,そのまま読了。 冒頭に「蒲生稔」が逮捕されるエピ…

有栖川有栖 『マジックミラー』

年末年始には風邪をひいて家にこもっておりまして,有栖川有栖(ありすがわ・ありす)の〈国名シリーズ〉を7〜8冊ほど読んでいました。読んでいる最中には楽しみましたが,読了後にこれといって感想も無く,古本屋へ持っていくもの箱へ。 そんななかで『マジ…

野村美月 『“文学少女”と死にたがりの道化』

出張の帰路,羽田空港のラウンジで野村美月(のむら・みづき)『“文学少女”と死にたがりの道化(ピエロ)』(ISBN:4757728069)を読んでおりました。 物語を激しく愛し,本をむしゃむしゃと食べてしまう“文学少女”遠子先輩。そんな彼女に〈本日のおやつ〉を…

上月雨音 『SHI-NO アリスの子守唄』

上月雨音(こうづき・あまね)『SHI-NO ―シノ― アリスの子守唄』(ISBN:4829163534)を読みました。 シリーズの第2巻。主要登場人物は志乃ちゃん(小学5年生)と僕(オンボロアパート暮らしの大学1年生),それにキララ先輩(バイタリティが溢れてエロおやじ…

上月雨音 『SHI-NO 黒き魂の少女』

上月雨音 『SHI-NO ―シノ― 黒き魂の少女』(ISBN:4829163429)を読みました。小学5年生の志乃ちゃんが,毎日,大学1年生の僕の家に来て,隅っこに餌を食べてコクコクする話。 無口っ娘なのでほとんどしゃべらないのだが,ルナティックな存在であるが故に真っ…

海堂尊 『螺鈿迷宮』

海堂尊(かいどう・たける)『チーム・バチスタの栄光』が面白かったので,もう1冊読んでみようという気になりました。原則として文庫落ちを待つことにしているので,ハードカバーを買うのは久しぶり。 店頭には水色の赤色の黒いのと取りそろえてあったので…

海堂尊 『チーム・バチスタの栄光』

文学研の読書会に参加。今回のお題は,海堂尊(かいどう・たける)『チーム・バチスタの栄光』*1。近く映画化されるのに合わせ文庫化もされたということで。 「このミステリーがすごい!」で大賞を取った作品。ですが,これってミステリーなん? ――と聞いた…

清涼院流水 『カーニバル・イヴ』

清涼院流水(せいりょういん・りゅうすい)『カーニバル・イヴ――人類最大の事件』(1998年,asin:4061819976)を読んだ。 『コズミック』を読んだとき,続作は読まない方がいいだろうと思った。その後,舞城王太郎らに接して清涼院に対する認識を(好意的に…

越沢明 『東京の都市計画』

越沢明(こしざわ・あきら)『東京の都市計画』(岩波新書,ISBN:4004302005)の初版は1991年。執筆当時は長岡造形大学の助教授。その後どうされたのか調べてみたら,北大の教授であらせられました(^^; 先日の出張で移動中に読んだ本で,ボストンバッグの中…

紙屋高雪 『オタクコミュニスト超絶マンガ評論』

発売日に注文してあった紙屋高雪(かみや・こうせつ)『オタクコミュニスト超絶マンガ評論』(asin:4806713562)が届きました。 「紙屋研究所」については御存知の方も多いでしょう。これまでその存在を知らなかったという人は,私から本書の内容解説を通し…